会社の経営が思わしくなく、会社の経営を維持することが困難な場合には、残念ですが会社を閉鎖せざるを得ません。
しかし、会社が債務超過に至っている場合には、単に閉鎖登記を行う方法は採れません。この場合は、法的に会社を処理する必要があります。
このような時に採る手続が破産となります。
破産手続は、簡単にいうと、会社の資産を債権者に分配して、会社を閉鎖する手続です。ただ、そこに至るまでには極めて多くの法的問題点が存在します。
例えば、従業員の解雇、債権者からの取り立てへの対応、売掛金の回収、資産の処理等どのようにすればよいのかわからないことだらけだと思います。破産申立前に会社自身で行っていいことと、やってはいけないこともあります。
このような判断を代表者の方や会社内部の方だけで処理することは極めて困難ですので、会社の破産申立は、通常弁護士が申立代理人となって申立を行っています。
当事務所の弁護士はこれまでに会社の破産申立について豊富な経験を有しています。また、裁判所から選任される破産管財人の経験もありますので、破産手続については、熟知しております。
まずは、会社の状況を詳しくお伺いする必要があります。そのため、法律相談をご利用いただき、面談を行うことから始めることになります(なお、当初の段階から破産を行うと決めている必要はありません。これから会社をどうするか相談したいという段階での相談もお受けいたします。再建が可能な場合には民事再生をお勧めする場合もあり得ます)。
面談の結果、破産やむなしという結論に至った場合には、当事務所と委任契約を締結していただきます(弁護士費用はこちら)。
その上で、最初に破産手続のスケジュールについて、検討します。
破産手続を申し立てる場合、原則として事業を停止することになります。ご相談の段階で事業がまだ継続中の場合には、どのタイミングで事業を停止するのかを検討し、事業停止のタイミングで債権者宛に受任通知を発送します(これにより、債権者からの請求は原則的にストップします。)。
また、事業が既に停止している場合には当事務所との契約後速やかに債権者に受任通知を出します。これによって、会社あるいは代表者の方への取り立てを止めることができます。
原則として、従業員も事業を停止する時点で解雇することになります。一般に解雇する場合、30日以上前に解雇予告をする必要がありますが、破産の場合には解雇予告は現実的ではありません。解雇予告に代えて1ヶ月分の解雇予告手当を支払うことで解雇はできますので、この方法を使うことになります。
なお、倒産により賃金が支払われないまま退職した従業員に対しては、独立行政法人労働者健康福祉機構が一定の範囲で未払賃金を立替払いする制度があります。
裁判所へ破産手続開始の申立をすることになります。申立を行う裁判所は原則として、会社の本店所在地を管轄する裁判所になります。
裁判所への申立には、債権者一覧表や財産目録等の書類を作成することが必要になります。現実的には、事業停止直前の時期には会社がかなり混乱していて、日々の帳簿管理が十分にできていないこともあり、会社の代表者や経理担当者だけで書類を作成することは非常に困難であると思います。
破産手続開始決定とともに、裁判所から破産管財人が選任されます。
破産管財人が会社の資産の管理や処分に関する権限を持つことになります。
破産管財人は、会社の資産を換価して、破産財団(配当等の原資となるお金です)をつくり、最終的には債権者へ配当を行うことになります。配当を行うだけの財産が残っていない場合には、配当を行わずに破産手続が終了することになります。
多くの会社では、会社の代表者の方は、会社の債務の連帯保証人となっていると思います。そのため、会社が破産してしまうと、代表者の方が会社の債務を弁済しなければなりません。しかしながら、現実的には代表者の方も(一時的には)収入を失ってしまうわけですし、会社の債務の弁済を行うことは無理な場合がほとんどでしょう。
したがって、会社の破産手続と同時に代表者の方の破産手続も行うのが通常の方法です。代表者の方自らも破産手続を行い、免責(こちらに個人の破産手続の詳細を記載しています)を得ることで、連帯保証債務の弁済を免除してもらい、生活の再建を図ることができます。
当事務所の費用は、会社の規模、債権者数、債務額、資産の額によって変わってきます(最低額50万円)。具体的な金額については、面談の上決定させていただきますので、当事務所までお問い合わせください。
なお、今後売掛金の入金が予定されている場合等は、売掛金入金後に費用をお支払いしていただくといった方法も可能です。
また、破産手続の場合、申立代理人となる弁護士への弁護士費用の他に裁判所へ支払う予納金が必要となります。予納金の額の最低額は20万円となっております(会社に資産が残っている場合には予納金の最低額にかかわらず資産の全てを管財人へ引き継ぐことになります)。